マンションという住まい

2週間ほど前、日経新聞に「異変 マンション市場」という
4回シリーズの記事があった。

金利を背景に順調だった首都圏マンションの販売が、
あまりに価格が高騰しすぎて失速、割安感のでてきた戸建てに
流れている、というのが、第1回の話題。

土地だけでなく、資材も人件費も高騰する中、価格を下げられず、
限られた用地を需要増で好況のホテルに奪われる苦境のなか、
大手不動産会社も、新築販売だけでなく、賃貸やリフォーム販売、
さらには高齢者住宅などに領域を広げているそうだ。

マンション事業は今後ますます厳しい状況になり、
生き残るためには知恵を絞らなければいけない、という話だった。

 

マイホームといえば一戸建、という時代が確かにあったけれど
今もそのイメージを持つ人は、どのくらい居るのだろう。

少なくとも私の両親はそう信じていたと思うし、
私も子供のころは、なんとなくそう思っていたような気がする。

そもそも、「帰省する」というコトバ自体、
戸建てのドアを開けて「ただいまー」という自分の姿と結びついているし、
一戸建てに暮らす家族、というのは、なんとなく幸せなイメージだから。

 

ところが、現実に自分自身の住まい(大切な帰る場所)を考えるとき、
マンション以外の選択肢は思い浮かばない。

シゴト上便利な場所に住みたい、ということは勿論あるし、
セキュリティや管理面(いつでもゴミが出せるとか)を考えると
一戸建ては負担(責任?)が大きすぎると感じるから。

高齢になってからの住まいを考えるとなおさら、
便利な場所にあるマンションのほうが安心な気がする。

都内に手ごろな一戸建てが増えたとしても、
自分の住まいとしては、私はマンションをえらぶかなあ。
その分費用も覚悟しなければいけないわけだけれども。

 

日本のリフォーム市場規模

矢野経済研究所によると、
2016年の日本のリフォーム市場は6.2兆円。
前年比4.4%マイナスらしい。

6.2兆円だった2016年住宅リフォーム市場、矢野経済研究所|日経アーキテクチュア

国土交通省は「住宅ストック循環支援事業補助金」等で底上げを企図するものの、
建築費高騰や職人不足のあおりを喰って、リフォーム需要は伸び悩むという。

愛着ある住まいを大切にメンテナンスして、
必要に応じてリフォーム・リノベーションを施しながら使い続けることは
エコの観点だけでなく、豊かな人生にプラスと思う。

更に、大切な住まいを住宅を次の世代に引き継ぐ世の中を作るには
流通制度も重要。

中古ブランド「安心R住宅」を告示化|日経アーキテクチュア
成功事例をどんどん生み出していく必要があると思う。

高齢者が安心して暮らし続けられる住まいづくり

 

シードプランニング、という調査会社が去年発行したレポートに
「高齢者向け住宅生活支援サービスの市場動向調査」というのがあった。

それなりに高価なので購入はできないが、プレスリリースで概要が分かる。

市場調査とコンサルティングのシード・プランニング [ SEED PLANNING ] - プレスリリース

 

急速に進む日本の高齢化について知らない人はいないと思う。
2025年には65才以上は人口の3割を超え、3677万人/1290万世帯になる
と予測されているそうだ。これは全くもって他人事ではない。

自分がどう生きていくかにかかわる「高齢期の住まい問題」について、
私自身、漠然と不安を抱えつつも、いったい何が不安なのかさえも
よくわかっていないのが現状だ。

いい機会なので、このレポートの見出しを参考にしながら
高齢者向けの住宅やサービスについて整理してみる。

ちょっと調べるだけで、老人ホーム検索サイト的なものは沢山みつかる。
比較的わかりやすく信用できそうだな、と思ったサイトは下記。
https://www.senior-anshin.com/

 

まず分かったのは、公的に運営されている施設の場合、まだ自立できる高齢者や、
ちょっとしたサポートがあれば生活できる高齢者(=要支援レベル)は
受け入れてもらえないこと。

比較的低費用で入居できる公的施設は、「要介護」が必須要件なのだ。

なんとなく、元気なうちに「終の棲家」に落ち着きたいな、と
思っていたとしても、公的施設ではそうはいかないということだ。
しかも、介護レベルが高くなると退去を求められる場合もあるらしい。

もちろん「看取り」を前提とする特別養護老人ホームや療養病床でなら、
安心して充実した医療ケアを、最期まで受けられる。
ただし、そこは晩年の暮らしを楽しむための場所ではなさそうだ。

 

民間サービスの場合は、もう少し選択肢が広がるが、
当然ながら費用負担は増えることになる。

いわゆる「老人ホーム」と呼ばれる共同生活型の施設も、実は2種類ある。
どちらもコミュニティのイベント等も楽しみつつ、終の棲家として暮らせる施設だ。

一つは「『介護付き』有料老人ホーム」。
施設内の介護職員が、介護保険による介護サービスを提供するスタイルだ。
「施設介護」の安心感が得られる代わりに、制約が多い面もあること、
そして、公共サービスに比べて費用負担が大きいことが心配な点。
入居時に終身利用権料的な一時金(数百~数千万円)を支払ったうえで、
月々15~30万円ほどの生活費がかかるのが平均的な例だそう。

もう一つは、「『住宅型』有料老人ホーム」。
こちらは、必要に応じて要請して利用する「訪問介護」が基本。
自立した生活が営める高齢者にとっては自由度が高い点が魅力的な反面、
必要なサービスが増えると費用がかさむ仕組みのため、
介護レベルが上がると住み続けるのが難しくなる場合もあるらしい。

このほか、認知症の高齢者が介護職員のサポートを受けながら共同生活を営む
グループホームと呼ばれる施設もある。

 

老人ホーム的な共同生活を好まない高齢者には、
賃貸型の「サービス付高齢者向け住宅」や、
分譲型の「シニア向けマンション」という選択肢もある。

老人ホームと違って、高額な初期費用が必要なく、
プライバシーを守って自立した生活ができることがメリットであり、
分譲型であれば、資産として贈与や相続をすることも可能。

注意すべき点は、施設によってにサービス内容も規定も異なること。

例えば、富裕層向けの施設には、レストランや温泉、シアタールームなど
生活を楽しむサービスが充実しているものもある。

介護保険とは別に、一定のサービス費用が継続的に掛かるため、
介護レベルが上がった場合には、総費用はさらに高額になりやすい。
経済的に余裕がないと負担しきれなくなってしまうので、注意が必要だ。

幸せに暮らせる「住まい」を選ぶことは、とても大切なこと。
人によって、抱える事情も違えば、快適と感じる暮らし方も違うから
選ぶ/決める作業は、とても複雑なものになる。

 

中古優良住宅の認定制度

先週の木曜日(2/16)の日経新聞に載っていた記事のご紹介。
中古住宅市場をもっと活性化していこう、という話だ。

 

国交省によると、日本の中古住宅シェアは欧米に比べて少ないらしい。

米国・英国では住宅流通の8割超が中古住宅なのに対して、
日本は、新築の占める割合が圧倒的に多く、中古住宅は15%ほど。

主たる原因は、中古住宅の過去情報や欠陥保証保険の整備が遅れによる
買主側の品質への不安が大きいことだという。

この不安を取り除くために国交省が準備しているのが、高品質な中古住宅の認定制度。
名前はまだ決まっていなくて「納得住宅」「安心住宅」みたいなものになるようだ。

2018年4月には「改正宅地建物取引業法」が全面施行されて
仲介業者には、住宅診断実施について顧客への確認や説明が義務付けられる。

その説明が、聞き手にとって難解なものにならないように、すべきと思う。

現在4兆円ほどの中古住宅市場を、2025年までに8兆円に増やす計画という。
関連市場であるリフォーム・リノベーション市場も加えると20兆円規模だ。

 

政府主導で様々な施策が進んでいる中で、
「住まいの主役」である人々が、本当に満足できる選択をするために
皆の思いに寄り添える「住まいアドバイザ」に、なりたいな。

 

【参考】国土交通省 住生活基本計画(平成28年3月18日) 
http://www.mlit.go.jp/common/001124128.pdf
http://www.mlit.go.jp/common/001123474.pdf

要領が悪くても

なかなかブログを更新できないことが気になっていた。

まったく時間がないわけじゃないんだけど、
文章をつづる余裕が作れないのは、要領が悪いからなんだよなあ、と
思っていたところだったので、この記事が目に留まった。

 

40歳を過ぎてから気がついた「要領が悪いからできること」 | プレジデントオンライン | PRESIDENT Online

 

カルビー上級執行役員の鎌田由美子さんの「やりたいこと」「やめたいこと」

 

▼今年「やりたいこと」リスト6

 1. 「やりたいこと」を考え抜く
 2. 「やること」の取捨選択
 3.  読書のスピードを上げる
 4.  効率よく運動する
 5.  文化への感度を上げる
 6.  メールの時間を削減
 

▼今年「やめるべきこと」リスト5

 1.  捨てることを決める
 2.  後回しをなくす
 3.  保管しない
 4.  断る罪悪感をなくす
 5.  小さな迷いをなくす

 用事やメールと同様にモノの保管もなるべくしない

 

 

「住まい」の話ではないけれど、自分の夢に近づくために、
そして、今の仕事できちんと成果を出すために、真似したいな、と思った。

不動産仲介とAI

不動産業界は、IoTとかAIの導入が、比較的遅れているという。

先週の新聞記事で知ったこと;
総務省の情報通信技術の導入にかかわる調査によれば、
不動産業界はIT導入可否による業績の差が、他業界に比べて大きいそうだ。

大量の情報を読み込んで収益性の高い物件を絞り込む、という作業には
AIやITは確かに威力を発揮しそうだ。まさにビッグデータ解析。

一方、人間の感性が不要になるとも思わない。

10年ほど前に賃貸住宅を探したとき、
ネットに掲載されている間取りなどの情報をくまなく調べて
自分なりに3件ほど候補を絞り込んで不動産仲介代理店を訪ねた。

てきぱきして感じの良い女性の担当者は、
私が挙げた候補物件を参考に、ネットにアップされる前の最新情報から
よさそうな物件をいくつか選んでおいてくれた。

自分で見つけた候補物件3件を見終えて、
どれも今一つだなあと途方にくれていた私は、
4番目に内覧した彼女のおすすめ物件に即決した。

築年数が長いのに管理状態がよく、
間取りが少し変わっていたけれど、安全で明るくて風通しも十分。
はじめの3件を回りながら世間話をする間に、候補から絞り込んだらしい。

早く決めなきゃいけないけど妥協したくはない状況だった私は
彼女に心から感謝した。

住まいに求めるものは、人それぞれ。
それを的確に察して(解析して)適切な提案ができるようなAIって
果たして実現するんだろうか。